もうすぐ夏、ヒヤッとしたホラーが求められる季節になりますね。
私はミステリーや都市伝説は好きですが、ホラーが苦手です。
特に、呪いやびっくり系、ゴア表現に重きを置いたもの。
ですが、一時期お化け屋敷のストーリーを読むのが
ブームだった時期があります。
肉体をなくしてなお、人を呪おうとする強い意志は
どれほどのバックグラウンドがあればそうなるのか
没入感を生み出すため
お化け屋敷のストーリーってなかなか凝ってるんですよね。
最近のお化け屋敷はお化け屋敷内で目標達成型も多いですが
そういったギミックを自然に絡めても不自然ではないような
ストーリー展開になっているのもにくいところ。
今回ご紹介するこの本は、お化け屋敷プロデューサーが、
恐怖の正体と恐怖によるビジネスを分析した1冊。
現代に至るまでのお化け屋敷の変遷からはじまり、
お化け屋敷から出てくるお客がなぜ笑って出てくるかに着目
それには「緊張」と「緩和」のメカニズムが働いており
その差が大きればいいほど快楽を生み出すという仮説から、
人を惹きつける恐怖とはなにかについて
時には落語の話も交えながら、
恐怖とエンターテイメントの面白さの仕組みを語ってくれています。
別のミステリー作家が嗜好を変えて出した
コメディ小説のあとがきで
笑いと恐怖は紙一重と書かれていたことを思い出しました。
今年の夏はいつものホラーを楽しむ前に、
この本を読んで一味違ったホラー体験をしてみてはいかがでしょうか?